03-5213-4577

 

トップ > 経営お役立ち情報

経営お役立ち情報

 資金繰りの強化方法,融資の獲得,補助金の獲得,売掛金の回収方法,国や自治体の中小企業支援制度など,経営お役立ち情報を配信しております。

1.金融機関からの融資獲得

 事業運営においては,資金繰りの強化は必須であり,金融機関と良好な関係を築いておくことが大切です。そのためには,資金需要が発生する前に,事業が順調に進んでいる時点で,金融機関との関係づくりを行う必要があります。

金融庁の動向の把握

 金融機関は、金融庁の管轄ですので、金融庁の意向をしっかりと守ろうとします。
では、現在の金融庁の意向・動向はどうかというと、従前までは、資産がたくさんあって、負債・借金が少ないとか、安全な企業に貸付をしなさいと言っていた金融庁が、これからは、企業が成長するための貸付を積極的に行いなさいと言い始め,いわゆる「事業性評価」,つまり,事業の内容をしっかり審査して,成長する企業には融資を積極的に行いなさいという意向になっています。
そのため,今がチャンス,ということになります。

貸す側の心理

 たとえば、自分がお金を貸して、その利息で儲ける商売をしていた場合、突然、焦ってやってきて、今すぐお金を貸してくださいと言ってくる人と、特に、今、緊急の融資は必要でないけれども、今後の計画を作っていて、今後の計画のためには、これくらいの融資が必要で、その融資が得られれば、これくらいのリターンがあるので、これくらいずつ返済が可能ですという計画を持ってくる人の、どちらに、貸付をしたいと思うか?ということを考えてみれば,当然,後者です。
 つまり,金融機関は,計画的な経営を行っている経営者に貸し付けをしたいと思うということです。
 そこでどうするかと言うと,
①事業計画書
②月次の事業報告書
 この2点を提出します。
 つまり,まず,はじめに,①の事業計画書を提出し,その後,毎月,その事業計画と,実際の経営の結果を②月次の事業報告書として,報告に行くということです。
毎月の事業の結果の数値を月次報告する際は,各数値の分析とその対策も記載するようにします。
 こうすることで、貸付担当者の方には、毎月しっかりと報告にくる誠実な方で、しかも、毎月の数値を分析して対策までもってくる人だ、と思っていただくということです。
 こういった戦略的なつきあい方をされている方はなかなかいらっしゃらないので、評価がますます高まることになります。
 また、実際、毎月の経営の結果を、数値で、分析して、対策していくと、結果的に、事業が良くなっていくという効果もあります。

 2.補助金の獲得

 補助金は、おもに経済産業省の管轄です。補助金と似て非なるものが、厚生労働省の助成金です。
経済産業省の補助金は、中小企業の事業を支援するためのものが多く、これに対して、厚生労働省は、雇用に関連するもの、人材のキャリアアップであるとか、育休支援であるとか、障害者雇用の支援であるとか、そういったものが多いです(ほかにもたくさんありますが。)。
そして、経済産業省の補助金は、募集期間が短くて、予算上限がきまっていて、どれだけ優れた計画があるのかなど、申請者間での競争になりますので、ハードルが高く、優れた申請が優先されるため,申請をしても採択されるとは限らないという特徴があるのに対して、
厚生労働省の助成金は、比較的長期間募集していて、条件を満たせばかならずもらえるというものが多いという特徴があります。
また、経済産業省の補助金は、数十万円というものから、1000万円単位のものもあるのに対して、厚生労働省の助成金は、数十万円から数百万円というものが多いという特徴があります。
さらに、経済産業省の補助金は、実際に、お金を支払ったあと、その領収書などを提出して、そのうちの3分の2とか、一部が返ってくるという仕組みが多いのに対して、厚生労働省の助成金は、条件を満たす計画を実行した後、決められた金額が交付されるという流れが多いです。
 補助金は、計画的な経営を行っている企業や、国の政策に合致した経営を行おうとする企業の計画などを審査しますので、実際にお金がもらえて資金繰りが強化されるというメリットのほかに、経営を見直したり、計画的な経営を行おうとするようになるという、応募すること自体のメリットもあります。
なかなか,補助金を有効活用できている企業は少ないですが,その中でも,毎年,補助金情報をしっかりとつかんで,有効活用している企業は,ますます成長が加速することになります。

3.売掛金の請求・回収

 売掛金回収の第1歩としては,内容証明郵便を発送することが多いです。
内容証明郵便とは,郵便局が行っている郵便制度の一つで,いつ,だれが,だれに対して,どのような文書を発送したのかということについて,郵便局に証明してもらうことのできる郵便です。
具体的には,定められた形式にしたがって,同じ内容の書面を3通(謄本)作って郵便局に提出すると,1通は送り先に発送し,1通は郵便局が5年間保管し,のこりの1通は控えとして,交付してもらうことができます。
その際は,配達証明を付けることで,いつ,配達されたのかということも,記録することができます。
郵便局は,5年間,その内容証明郵便を保管してくれますので,5年間は,閲覧したり,謄本を提出して証明を受けたりできます。
(現在では,電子内容証明郵便という,インターネット上で手続ができる制度もがあります。)
このような制度であるため,弁護士が,依頼者の方の代理人として,依頼者の代わりに文書を発送する場合,まず,この内容証明郵便を用いることが多いです。

民事訴訟

 売掛金・代金・料金を支払ってもらえない場合や,貸したお金を返してもらえない場合,裁判所に訴える,つまり,民事訴訟を起こす,という方法があります。
 民事訴訟を起こすには,売掛金・代金・料金を請求できる証拠や,お金を貸したことを証明できる証拠を揃えたうえで,訴状という書類を作成し,それを裁判所に提出することにより,民事訴訟を起こすことができます。
 これにより,相手方を被告として,いわゆる「裁判」を行うことができます。
 原則として,140万円までの請求は簡易裁判所で,140万円を超える請求は,地方裁判所で行います。
 この民事訴訟で,原告と被告がそれぞれ,言い分を主張し合い,証拠を提出し,最終的に,勝訴判決をもらえれば,あなたの主張が裁判所でも認められたことになります。
 勝訴判決が出た時点で,相手方が観念して,お金を払って来れば,それを受け取ることになります。
 勝訴判決が出ても,相手方が判決を受け取ってから2週間以内に「控訴」をすると,さらに,審理を行った裁判所の上級の裁判所で,もう一度,審理を行うことになります。
 勝訴判決が出て,相手方が控訴をしたりせず,判決が確定したあと,それでも相手方がお金を支払ってこない場合,次に,「強制執行」という方法を検討することになります。

少額訴訟

 請求・督促する売掛金・代金・料金等が,60万円以下の場合,簡易裁判所において,「少額訴訟」という制度を利用することができます。
 少額訴訟のメリットは,1日の審理で,判決がなされるため,解決期間が短くなる可能性があるというメリットがあります。
 ただし,1日で審理が終わってしまうため,十分に証拠を揃えてから行う必要があります。
 また,証人がいる場合には,その証人にも同行していただく必要があります。
 注意しなければならないことは,少額訴訟を提起しても,被告が少額訴訟を拒否した場合は,通常の訴訟になってしまいます。
 また,少額訴訟の判決が出ても,それに対して「異議」を述べることにより,再度,簡易裁判所において,通常の審理がなされることになるため,1日で終わるとは限りません(ただし,その簡易裁判所で再度判決が出た場合,これに対して控訴できないという特徴があります。)。

 支払督促

 簡易裁判所の書記官に申立てを行う制度で,「支払督促」という制度があります。
これは,売掛金・代金・料金を支払ってもらいたい場合に,所定の申立書を提出すると,裁判書からのこの支払督促の書類が相手方に届き,相手方がこれを受け取っても「異議の申し立て」ということをしなければ,民事訴訟をせずに,民事訴訟で勝訴判決を得たのと同じ状況にできるという制度です。
この支払督促のメリットは,相手方が全く争わないという場合には,民事訴訟をせずに,民事訴訟で勝訴判決を得たのと同じ状況にでき,スピード解決が期待できるというメリットがあります。
逆に,デメリットとしては,相手方がとりあえず,「異議の申し立て」というものをやってしまうと,上記の民事訴訟が自動的に始まることになってしまうというデメリットがあります。

強制執行

 民事訴訟などで勝訴判決をもらっても,相手方が,自らお金を支払ってくれなければ,勝訴判決は紙切れでしかありません。
このような場合は,この勝訴判決を使って,さらに,「強制執行」というものをしなければなりません。
 具体的には,たとえば,
・相手方の預金口座を探して,その預金を差し押さえる,
・相手方の不動産を探して,その不動産を差し押さえる,
・相手方の事業の売掛金を差し押さえる,
・相手方の勤務先のお給料を差し押さえる,などです。
 そのため,原則としては,相手方にどのような財産があるかわからなければ,強制執行はできないということに,注意する必要があります。

時効に注意

 売掛金・代金・料金の請求・督促・回収,貸したお金の返還の請求などは,「時効」という法制度によって,一定期間が経過してしまうと,もう支払ってもらえないということがありますので,そうなる前に,お早めのご相談をオススメします。
 時効期間が迫っている場合には,取り急ぎ,時効を止めるための手立てを講じたりすることもあります。

■弁護士
■中小企業診断士


■東京弁護士会
■東京都中小企業診断士協会


ページのトップへ戻る